最近読んだ本

孤島パズル/双頭の悪魔:有栖川 有栖さん

江上二郎シリーズ。長編推理小説。このシリーズは面白いと思う。
「読者への挑戦」は相変わらず分からず。

谷崎潤一郎マゾヒズム小説集:谷崎潤一郎さん

谷崎潤一郎さんは(『さん』付けがしっくりこないな)、大学のとき結構読んだ。代表作の『細雪』や『痴人の愛』は面白かったな。また、台所太平記には、親戚が登場しているというのを母から聞いたことがある。
この本は短編集。タイトルから想像されるかもしれない性的描写はあまりない。もう少しやわらかい(?)曖昧なMだ(ったと思う)。

十角館の殺人綾辻 行人さん

長編推理小説。大学生が主人公なところもあり、有栖川 有栖さんの江上二郎シリーズと雰囲気は似てるな。事件が起こっていく前半から中盤は面白いが、終盤の種明かしはあまり好きな展開ではなかった。

共食い:田中 慎弥さん

芥川賞受賞作。ちょっと前に話題になっていた本。あまり好きじゃないな。ちょっと狂気な世界だと思う。

話虫干:小路 幸也さん

新聞の書評に出ていて、面白そうだと思ってすぐに買って読んだ。漱石の『こころ』の本に話虫という虫が入り込み、話の内容を変えてしまう。それを元に戻すために図書館員が本の世界に入り込むという話し。コンセプトが凄く面白そうと思って期待して買ったが、ちょっといまいちだったかな。文学に詳しい人なら面白いのかもしれない。私には夏目漱石さんとラフカディオハーンさんと石川啄木さんの関係なんてわからないよ。

ビブリア古書堂の事件手帳1〜3:三上 延さん

最近の私にとっての一番のヒット作。結構話題になっている本。めちゃくちゃ面白く3巻を一気に読んだ。短編のミステリー。短編だけど『謎解きはディナーの後で』より深い感じがして面白かった。舞台が鎌倉周辺なのも市民として好感が持てた。年内に4巻がでるとか。期待している。

消された邪馬台国への道:木谷 恭介さん

邪馬台国だけではなく、乙巳の変から壬申の乱まで、日本書紀に対する作者の考えが展開されている。面白いが、あまり論理的な展開ではない(むしろその方が面白いのだろう)。そもそも日本書紀の内容をどう解釈するか、というのは面白い問題だな。作られた歴史ということか。邪馬台国卑弥呼日本書紀に出てこないのは、作為的に消されているということ。それが藤原氏の意図なのか。まだよく理解できていない。
この本に刺激されて、町田 康さんの『浄土』に収められている『一言主の神』を久しぶりに読み返した。面白くて笑いが止まらなかった。日本書紀雄略天皇の節のパロディーだ。