最近読んだ本

閃光:永瀬隼介さん

昭和を代表する事件「三億円事件」をモチーフにしたもの。面白かったが、これは、どこまで事実に基づいているのだろう。まったくの創作というのなら意味ないし、かといってこんなに詳しくわかっていたというのも信用できない。微妙。事件現場とか、小説では、なんでわざわざ変えたのだろう。

国民の歴史(上):西尾幹二さん

日本の古代史はやっぱり興味あるので読んでみたが、いまいち、ほかの人の歴史観に対する批判ばかりが目立ち、ちょっとうんざりだった。魏志倭人伝をまったく信用のおけない資料と位置付けたのはいいが、それで終わってしまっているのではなんだか。代わりに「こうなんだ!」みたいのを期待してしまう。
冒頭に「歴史とは事実に関する認識の認識」と書いてあった(と思う)。う〜ん、ちょっとレベルが合ってない気がする。

ドグラ・マグラ夢野久作さん

『これを読む者は一度は精神に異常をきたすと伝えられる、一大奇書』と書かれていて興味を引いたが、正直理解できなかった(から、精神に異常をきたさなかった)。ちょっと、難しすぎ。読み返す気も起きない。

人間の建設:岡潔さん/小林秀雄さん

岡潔さんと小林秀雄さんの対談。とはいえ、岡潔さんにしか興味はないし、内容も、面白かったのはほとんど岡潔さんの言っていることだけだった。しかし、この人、数学のみならず、物理・哲学・文学・絵画への理解も相当なものだと感じた。すごい人だな。1965年の対談だそうだ。当時の最先端の数学に対して、抽象的で感情が無いと批判している。コーエンが証明した連続体仮説の肯定も否定も矛盾しないということに対しての批判だ。知性が説得しても感情が納得しなければだめだ、という。数学の最先端はすごくアナログな感じがした。