最近読んだ本

今日、本谷有希子さんの『腑抜けども悲しみの愛を見せろ』を読み終えた。この人の文章はすごいな。一行目からものすごいパワーで人をひきつけて離さない感じだ。最後まで読んで、ストーリーは、まぁ、面白いけど、この文章の力強さにくらべると、少し肩透かしな気がした。でも、他の作品も読んでみようと思う。
最近読んだ本で面白かったものを書いておく。
柳広司さんの『ダブル・ジョーカー』。スパイ物の短編シリーズという感じだ。中でも『柩』が良かった。中心人物、スパイなわけだが、どのストーリーでも表に出ず、影が断片しか見えない。どんどん読みたくなる。今日、前作の『ジョーカー・ゲーム』を買ってきた。
それから、三浦しをんさんも面白い。『まほろ駅前多田便利軒』と『まほろ駅前番外地』。二人の青年が繰り広げる破天荒なドラマが、昔の『傷だらけの天使』の修と亨を彷彿させる。それから『月魚』も面白かった。この人は、男二人を主人公にしたものが多いような気がする。『神去りなあなあ日常』と『星間商事株式会社社史編纂室』が読むようにストックしてある。
村上春樹さんの『海辺のカフカ』も最近読んだ。『1Q84』が流行っていたけど、こっちを読んだ。この人も読み出すと文章にのめりこんでしまう感じ。面白そうでどんどん読み進んでしまうけど、最後まで読んで、なんだか、「あれはなんだったの?」という未解決なものが多すぎる感じがした。
あとは、森見登美彦さんの『有頂天家族』。これは、私の中ではここ最近のベストかな。通勤の電車の中で読んでいて笑いをこらえるのが大変だった、というか笑ってた。この作品で気に入り、『きつねのはなし』、『新釈走れメロス』、『美女と竹林』、『四畳半神話大系』、『夜は短し歩けよ乙女』、『宵山万華鏡』とか片っ端から読んだけど、『有頂天家族』と比べたら私にはどれももうひとつだった。