読んだ本

三津田信三さん『厭魅の如き憑くもの』

『首無しの如き祟るもの』に続き読んだ。このシリーズ面白い。主人公、刀城言耶氏が、鋭く事件を解明していくが、その推理が二転三転し、むしろ、それが臨場感がある。また、長編で読み応えがしっかりあるのもいい。続いて『密室の如き籠るもの』も読んだ。こちらは、短編3作とタイトルの長編だ。短編は短すぎて迫力がない。『密室…』は面白かった。途中、ひょっとして犯人はxxかな、って思ったが、刀城言耶氏の推理はまったく違っており、やっぱりはずれか、と思ったが、一番最後にひっくり返り、私の想像通りだった。なんか、とてもうれしかった。
『刀城言耶シリーズ』ではない『禍家』もよんだが、こちらは、推理小説というより、ホラーが主体のようで、私はあまり面白くなかった。

柳広司さん『トーキョー・プリズン』

ここのところ三津田信三さんの本に染まっていたので、まったく違う文体で少し慣れるまで時間がかかったが、面白かった。前に読んだ『ジョーカー・ゲーム』的なタッチがこの本にもある。でも、『ジョーカー・ゲーム』/『ダブル・ジョーカー』の方が面白いかな。

ロラン・バルト氏『零度のエクリチュール

ときどき、なんかわけわかんない本を読みたくなる。読んでやっぱり分からなかった。小説・文学に関する本であるが、『言語』があり、『文体』があるところまでは分かったが、その間に『エクリチュール』という形式的実体がある、とか言われてもさっぱり。また、フランスの作家が参照され、それぞれの作家のエクリチュールの特徴とか説明されてもなんのことだか。
合わせて『記号の国』も買った。まだ読んでいないが、こちらは日本に関する本だ。バルト氏は日本に大変興味を持っていたようだ。この本は、写真もふんだんに挿入されており、何よりも日本について書かれた本なので、前出の本よりは読みやすそうである。ただ、書き出しは『なぜ、日本なのか。なぜなら、エクリチュールの国だからである。』となっている。やはり意味不明かも。